エゴの生態その① 頭の中でずっとおしゃべり

前回のエゴはなくてはならないものかも?では、エゴのけなげなお話をしました。
今回からは、エゴの生態について迫っていきます。

前回とは打って変わって、エゴの悪さについてです。
エゴのやっていることが解ると、本当に生きやすくなりますよ。
エゴがやっていることの続きから始めますね。
 

・頭の中でずっとおしゃべり
・エゴの苦労
・エゴの誤算
・ハッと我に返る

頭の中でずっとおしゃべり

エゴは常に活動しています。
あなたが何をしていようが、どんな状態であろうが、常にあなたを誘惑しようとしています。
あなたも、仕事が少し一段落したときや、あまりやりたくない仕事をしているときなんかに、ふっと昔の情景が思い出されたりすることあるんじゃないでしょうか?

そして昔あった、腹が立つことやつらかったことなどが思い出されて、ずっとその情景が頭から離れず、少しボケ~っとするようなことはないでしょうか?
少しして、誰かに呼ばれたりして、ハッと我に返って、
「あっ、仕事中だった!」
と思いだすようなことはないでしょうか?

また、怒りを誰かに話したり相談した後、もうお話は終わっているのに、怒りだけ残ってしまって、ひとりでプンプン怒ってしまったりしたことはないでしょうか?
家族に話しかけられたりして、ハッと我に返りますが、怒りの余韻が残って、家にいるのにリラックスできなかったような経験はないでしょうか?

ハッと我に返ると、エゴのおしゃべりや映画は一瞬消えます。
でもエゴは、上手にころあいを見計らって、またおしゃべりや映画を見せてくるんです。
エゴは一生懸命です。

エゴの苦労

エゴが毎日やっていることは、
「今までのあなたの記憶から、今あなたになってほしい感情を呼び起こす映像や音を選び出し、編集してあなたに見せる。」
という、とても骨の折れることなんです。

なのでエゴは一生懸命作ったバーチャル映画にあなたが一喜一憂しているのを見て、とても喜んでいます。
苦労して作った映画ですから、あなたがエゴの思ったとおりの感情になればなるほど、エゴの苦労は報われるんです。

で、エゴは何でそんな骨の折れることを一生懸命し続けているのか?ってことですよね。
そんな苦労、ふつう誰もしません。

何でかっていうと、それはあなたに良かれと思ってしています。
というか、エゴはあなたのことをエゴ自身と思っているので、自分のためですね。
あなたとエゴのために、一生懸命、映画作ってるんです。

あなたの喜びはエゴの喜び、あなたの悲しみはエゴの悲しみ、あなたの心配はエゴの心配です。

あなたを操縦して、あなたが(エゴが)安定して、失敗しないように、楽に、立場の良い人生が送れるように頑張っているんです。

エゴの誤算

そんな、あなたに献身的なエゴですが、実は重大な間違いを2つ犯しています。

1つ目は、
「エゴの作った過去の映画は、エゴの解釈であって、事実ではない。」
ということです。

実はエゴは、ものすごくうがった目で現実を見ています。
なので私たちは、
「事実とは違う、エゴの偏見と脚色が入りまくった映画を、完全なる事実の再現とカン違いして見ている。」
ということなんです。

ホントは嫌われた場面じゃないのに、嫌われたと解釈しちゃってたり、
ホントは誰かが泣いたのに、あなたが泣いた場面だと解釈しちゃってたり。
もう、めちゃくちゃな映画なんです。

だからその映画で反省して、未来の対策をしたくっても、そもそもめちゃくちゃな映画ですから、何の対策にもなりません。
めちゃくちゃな映画で対策しちゃったまじめなあなたは、たいてい失敗することになります。
そしてその上残念なことに、対策した、想定している場面って、もう二度と来ないんです。
それでは何の意味もありませんよね。

2つ目は、
「エゴはあなたではない。」
ということです。
(エゴはあなたではないって話は、「野性の(本当の)自分」の題の時に、詳しくお話しします。)

そもそもエゴは、あなたに苦労して作った映画を見せて、あなたが思いどおりの感情になると喜んでいるわけです。
あなたに見せて反応を喜ぶってことは、「あなたはエゴではない。」ってことが解らないとおかしいはずなんですが、エゴはアホですから気づきません。

もし気づいても、エゴは気づいてないフリをするかもしれません。
エゴはあなたの中でしか生きられませんから。

エゴが作った映画をあなたが見ている時、エゴの映画への思い入れとの温度差があるので、あなたとエゴの間には、少しミゾができます。
そのミゾに、あなたが気づいたり違和感を持ったとき、あなたは無意識的に映画を見るのをやめたり、違う映画にスイッチを替えたりするんです。

ハッと我に返る

ハッと我に返り、
「もうこんなことばっかり考えるのやめよ!」とか、
「うじうじ悩んでても、らちが明かないな。」とか、
「変な想像ばっかりして、もう私ったら!」なんて
思ったりする時ありますよね。

そんな時は、あなたがエゴの映画を見るのをやめたときなんです。
その結果、エゴのもくろみは失敗することになります。
ものすごく苦労して作った映画だったのに・・・。

こうやって、ハッと我に返ると、あなたはエゴのめちゃくちゃ映画から解放されます。

実はあなたの苦しみは、あなたがエゴの映画に翻弄されてしまったときに生まれます。
あなたがエゴの思ったとおりに一喜一憂することって、苦しみにしかつながりません。
なので、エゴが喜ぶとあなたは苦しむことになるんです。
お互いに「本当の意味で喜ぶ」ことはありません。

あなたが野性の気持ちに正直になり、あなたの本当の幸せに気づくには、エゴから解放される時間を増やすことが大切です。
ハッと我に返って、エゴの作った映画の時間を減らしていくんです。
とても難しいですが、ゆっくりやってみてくださいね。

次回からも、エゴの生態について、掘り下げていきます。
長時間、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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