あなたの仕事、ホントに合ってると思ってる?

今日は、私が過去に自治体で仕事をしているころ、同僚の先輩から相談を受けたときのことをお話しします。
あなたも、一生懸命仕事をしていて、はたと立ち止まって考えたことがあるのではないでしょうか。

「私にはこの仕事、合っているのかな?」

忙しくて、そんなこと考える暇がない方も、ちょっと考えてみてくださいね。
 

①同僚の先輩と話していたら・・・。
②それって、うつの一歩手前じゃない?
③でも気づけて良かった。
④仕事を辞めたい!

①同僚の先輩と話していたら・・・。

私がまだ自治体で仕事をしていたころ、DV相談員やケースワーカーなど、相談畑の仕事が多かったです。
なので同僚と話していても、自然と相談を聞くようなことがよくありました。

ある日、研修会を主催していた時、共催している別の課の先輩「リョウさん」(女性)と会いました。
リョウさんは、よく仕事ができると評判で、とても勢いのある、元気な人です。
最初は他愛もない、仕事の話をしていたのですが、突然リョウさんが、
「ねえ、レイラちゃんって仕事楽しい?」
と聞いてきました。

私は、もう公務員の仕事にやり切った感があり、あと何年かで辞めようと思っていた時でした。
私は、
「公務員の仕事は責任ありますし、楽しいわけではないですね。私はやりたいことがあるので、数年後に辞めようと思っていますよ。」
と言いました。
するとリョウさんはガックリして、
「え~?辞めようと思ったら辞められる環境なんだ~。いいな~。」
と、私のことをうらやましがりました。

ということは、『辞めたい』と思ってるってことですね。
でもリョウさんは、バリバリ仕事をして、リア充っぽく見えます。
なので聞いてみました。

私、「もしかして、仕事、嫌なんですか?」
リョウさん「うん。それも最近気づいたの。」
私、「仕事がいやだってことを?」
リョウさん「うん。私って公務員に向いていないみたい。」
私、「え~?リョウさんってイケイケでバリバリじゃないですか。」
リョウさん「うん。そう見えるんだろうね。実際、勢いあるみたいだし。」

私、「で、最近気づいたって、リョウさんはもう何年も働いてますよね。」
リョウさん「うん。もうすぐ25年になるかな?最近、私ってなんでこんなにつらいのに残業ばかりして頑張ってんのかな?って考えてたら、『あっ、向いてないんだ。』ってわかったんだ。」
私、「え~?いつからつらかったんですか?」
リョウさん「つらいのは、う~ん、ここ15年くらいかな?」
私、「え~?えらい長いことつらかったんですね。そして最近気づいたんですか?」
リョウさん「うん。忙しかったから気付かなかったのかな?みんなつらいんだろうってくらいに思ってたんだ。」

②それって、うつの一歩手前じゃない?

そしてリョウさんは最近の体の調子について語ってくれました。

リョウさん「最近、全然食べられなくて、夜も眠れないんだ。」
私、「そういえば、なんか痩せてますね。全然食べられないんですか?」
リョウさん「うん。最近、固形物を食べてないんだ。飲むことはできるけど。」
私、「その上、寝れないんですか?」
リョウさん「うん。残業して遅く帰るから、なんか家で切り替えできなくて、気持ちがゆっくりしないまま寝床に入るから。」

私、「それはもうヤバいですよ。うつの一歩手前ですよ。というか、少し足を踏み入れてますよ。」
リョウさん「そう思う?私も急に長期で休むことになってもいけないから、明日、課長に言おうと思ってんの。」
私、「うん。ちょっとどうにかした方がいいですよ。」
リョウさん「どうしたらいいと思う?」

私、「う~ん。リョウさんは趣味とか楽しみがありますか?」
リョウさん「うん。意外かもしれないけど、お裁縫が好きなんだ。」
私、「え~?意外!イケイケでバリバリと、お裁縫がマッチしない。」
リョウさん「やっぱり?でもそうなんだよ。」

私、「そっか~。じゃあ、とりあえず、残業をやめましょう。そして、空いた時間でお裁縫するんです。そして、お裁縫して何か作ったら、それを学校のフリマとかで売りましょう。だったら学校の収入になるから、副業にならないし。売れて喜んでもらえたら、すごくモチベーションも上がりますよ。」
リョウさん「そっか~。でもどうやって残業やめるの?」
私、「やめられますよ。無駄なことを一切やめたら残業はしなくてすみます。」
リョウさん「え~?無駄なことって何?」

私、「う~んと、じゃあ、題して、『リョウさんの仕事スリム化計画!』を始めましょう。」
と、仕事をスリムにするように計画を立ててみました。
話をしてみると、リョウさんは完ぺき主義のようでした。
全部理解して納得して、完ぺきにやらないとダメと思っていたのです。

私、「こんなに完ぺきにしなくても、後で見ない表なんかは作らなくていいし、それに、リョウさんは係長なんだから、実務は係員に任せたっていいじゃないですか?」
リョウさん「うん、でもなんか言うの悪くて・・・。」
私、「優しいですね。でももう、やってもらいましょう。リョウさんの体の方が心配だし。暇そうにしてる係員さんもいるでしょ?」
リョウさん「うんいる。じゃあ、やってもらおうか。」
私、「そうしましょう。そうしましょう。」

③でも気づけて良かった。

リョウさんのイメージと実態があまりにも違ったので、私はとても意外でした。
私のイメージの中では、リョウさんはテキパキと仕事をこなし、とても充実している人でしたから。
なので、聞いてみました。

私、「今までつらいことなのに、自分を犠牲にして頑張ってきたんじゃないですか?」
リョウさん「そうよね、仕事が嫌だっていう自分の気持ちに気づいていなかったんだもんね。」
私、「そうですよ。自分の本心は、自分にしかわからないのに。」
リョウさん「だよね。今まで自分の気持ちから目をそらしてたのは自分だもんね。」

私、「家族とか周りの人は、公務員のリョウさんでいてほしいですからね。それに合わせてきたんじゃないですか?」
リョウさん「そうなんだよね。周りの期待に応えなきゃって気持ちが、自分の本心を押し込めてたのね。」
私、「そうですよ。自分のことは自分にしかわからないから、自分のことをいつも見てあげてください。」
リョウさん「でもそれに気付いたところで、現状は何も変わらないんだよな~。今仕事を辞めれるわけでもないし。」

私、「いえいえ、気付いただけでも大きい前進ですよ。」
リョウさん「どうして?」
私、「次につらいと思ったとき、仕事のせいだってわかるから、何か対処できますよ。今日みたいに仕事を減らすことを考えたり、上司に相談してみたり。」
リョウさん「そっか。何かわからず、漫然と悩むよりいいか。」
私、「そうですそうです。バッチリ。なるべく自分の楽しい時間を増やしてくださいね。」

④仕事を辞めたい!

それでもリョウさんは仕事を辞めたい気持ちでいっぱいのようです。

リョウさん「でも私、仕事がいやだってわかってから、ホントに仕事がつらくて。レイラちゃんはそんなことない?」
私、「そんなことありますよ。私はつらいっていうより、違和感かな?私はこの仕事を自分がしていることに、毎日違和感があります。この仕事、絶対違うって思います。」
リョウさん「でもそれでやっていける?」
私、「あまり何年もはできないかも。なので私は、次にスムーズに行けるように、勉強したり、資格取ったりしてますよ。仕事はできるだけ工夫して減らしつつクオリティーは落とさず、残業しないようにしてます。」

リョウさん「あ~。積極的に動いてるのね。でも、辞められる環境でいいなあ。」
私、「いえ、全然辞められる環境じゃないですよ。私が辞めるって言ったときは、猛反対を受けましたよ。猛反対のダンナを説得できたら親、親が説得できたら友達、友達の次は親戚っていうふうに。」
リョウさん「やっぱり困難が付きまとうよね。」
私、「私が資格とか取ってるのは、周りの説得のためでもあるんです。」

リョウさん「私、説得できるかなあ。」
私、「説得できた方がスムーズだとは思います。でも、説得できなくても辞めたらいいと思いますよ。自分で何とかできるんなら。でも後で、自分が後悔しないように、やっぱり公務員の方がよかったって、絶対思わないようにしたいと思ってます。」
リョウさん「そっか。自分の人生だもんね。」
私、「そうですよ。リョウさんの人生ですから。貧乏になって、あの時辞めなきゃよかったって思うのもまたつらいでしょ。お金も必要です。」
リョウさん「そうだね。私はまだ子どもが2人大学生だから、仕送りしなきゃいけないのよ。」
私、「ですです。自分を大事にするって、無鉄砲に好きなことをするのとは違いますから。まだ辞められないあいだに、次の対策を練るんですよ。ニヤニヤしながら。」

リョウさん「あ~そうか。どうせやるんなら楽しんでやらないとね。」
私、「そうですよ。笑った方が得ですから。」
リョウさん「うん。笑える時間を増やせるようにしてみる。」

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と、こんな感じで話をして、リョウさんは4年後に仕事を辞めました。
辞めるまでのあいだ、リョウさんはとてもがんばっていました。
でも、「辞めた時のことをニヤニヤ考えながら」だったのでがんばれたそうです。

今は、縫製工場の事務のアルバイトをしながら、空いた時間にお裁縫をして、作品をネットで売っているそうです。
収入は当然減りましたが、自分の作品が喜んでもらえて、公務員より断然楽しいそうです。

リョウさんは自分らしい生き方を手に入れました。
そして、自分らしくあることは、自分の我慢に気づいた時から始まっています。
自分を大事にするということは、突然仕事を辞めて、家族や自分の生活をおびやかすことではありません。
ゆっくり計画を練ることも必要です。

「生きづらい」と思っているあなたは、どこかで我慢したり、自分を犠牲にしています。
まず、それに気づいてみることから始めてみませんか?

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