周りがバカに見えたら、うつの入口に来てるよ

「周りの人がバカに見える」っていう人?
長い人生の中で、1回くらい思ったことのある人はいるんじゃないでしょうか。
年配の人とかに相談すると、「お前が幼稚だからだ。」なんて説教されたり・・・。
とっても「生きづらい」です。

このページでは、「周りの人がバカに見える」人がおちいっているスパイラルについてです。
私の体験が、なにかお役に立てるのではないかと思っています。
そのままにしておくと、えらいことになりますから、その前に知っておいてほしいです。
 

・周りがバカに見えてしかたない
・実は自分をいじめている
・他人を変えることはできない
・自分の見方を変えるしかない

周りがバカに見えてしかたない

「周りがバカに見える」というと、若い人とかに多いかもしれませんね。
かく言う私も若い頃はうつでしたが、その期間ずっと「周りがバカに見え」てました。
そして若い時だけならまだしも、自治体で働いている時、40代になってからも「周りがバカに見え」てしかたない時がありました。
今日は40代になってからも、大人げなく愚かにも「周りがバカに見え」ていた時のことをお話しします。

私のいた部署は、課長と、係長(私)、係員2人というむっちゃ小さい部署でした。
何か所かある施設をまとめている課です。

課の人たちの顔ぶれは、
・課長は「仕事をしない」で有名な人で、現状維持しかしできない。
・係員のTさんは仕事が嫌いで、各施設に仕事を振りまくってやらせるので、どの施設からも嫌われている。
・係員のM君は、言われたことだけは実直にするけど、それ以外は全くせず、動作が超遅い。

という・・・。

課長は何を聞いても、
「前の係長に聞いてください。」か、
「今まで通りでお願いします。」しか言いません。

各施設長から、Tさんに対するクレームが来ても、課長は施設長たちに、
「Tさんに任せているからわかりません。」と言います。
結局、各自で判断することになるのです。

そこで、各自で判断して、前年と違うことをすると、課長で決済が止まってしまいます。
どうして前年と違うことをしたのかを細かく聞かれ、前年と同じようにやってくれと言われます。
前年と同じではいけないから変えたのに、前年と同じようにと言われると、仕事が前に進みません。

仕事を放置することが多くなり、クレームも増えます。
そして何か問題が起こった時、外部からクレームがあっても、
「全部、担当の部下に任せているので、担当がお話しします。」です。
課長は徹底しています。

各施設長たちは、課長が何も聞いてくれないので、Tさんのクレームを私に言ってくるようになります。
私は間に挟まれて右往左往し、Tさんに言っても何もしません。
なのでだんだんTさんの仕事を、私がするようになっていました。

人間関係も最悪で、もう修復は不可能と思えます。
誰にも相談できず、何の面白みもない職場で、私はひとりで忙しくしていました。
毎日つらいつらいと思って仕事をし、何の希望もありません。
仕事を辞めることばかり考えます。

バカに囲まれることがこんなにつらいとは。
(私は可もなく不可もない、ごく普通の人間です。)

前任の係長Fさんは、すごく仕事ができる人なのに、今はいわゆる「窓際職場」に飛ばされたような形になっています。
Fさんに、昨年までの様子を聞きに行ってみました。
当然、前年も現状のままだったそうです。
Fさんもつらくて、人事に毎週のように手紙を書いたようです。
「どうしても替わりたい。」と。

結局、次の異動で替われましたが、替わった先は「窓際職場」だったそうです。
エリートのFさんは落ち込んでいるのかと思いきや、替われて良かったといいます。
周りからどう思われようが、今の方がいいそうです。
あんな最悪の職場、思い出したくもないと言っていました。
その日はFさんと長時間話し、課長とTさんの悪口で盛り上がりました。

でも次の日には、また同じ職場へ行かねばなりません。
現状はまったく変わっていないのです。
重い足を前に進めるのが苦痛でした。

実は自分をいじめている

ある日私は急に体調が悪くなり、仕事に行けませんでした。
病院に行ってみると「胃潰瘍」でした。
けっこう重傷で、何日か入院して休むことになりました。

入院中、色々考えました。
主には職場がつらいことです。

頭の中で、
「課長が嫌だ。課長がバカだ。」
「Tさんが嫌だ。Tさんがバカだ。」
「M君は気が利かない。M君はバカだ。」

ず~~っと繰り返していました。

なんであの人たちは、まともに仕事できないんだろう。
なんで私はあんなバカばっかりの部署に配属されてしまったんだろう。

課長やTさんと話して、腹が立った場面を頭の中で再現して、また腹を立てる。
課長やTさんと話しても、何もやってくれない場面を想像して、また落ち込む。

2日間くらいは、その想いに支配されていたと思います。

そして、もうお腹いっぱいまで嫌な想いを味わい尽くしたころ。

はたと気づきます。
「あっ!忘れてた!」

ここまで読んでくださったあなたなら、もうお気づきのことと思いますが・・・。

この状態って、実は自分で自分をいじめているだけなんです。
頭の中に相手がいるから、「自分で自分をいじめている」とは気づきにくいのですが、こうやって客観的に見てみるとよくわかりますね。

相手に私の想いは、まったく伝わっていません。
相手は現状のままなんです。
そして私はというと、他人のことに想いをめぐらせて、思い出して腹を立てたり落ち込んだり。
家に帰ってまで、職場の悪いことをずっと考えていました。

マイナスな考えをわざわざ選んで考えるので、それがストレスとなって体に残ります。
残ったストレスが体で暴れて、今回は胃潰瘍になってしまいました。

うつの人って、よく他人のことを考えて、あーだこーだと思うんです。
たいていそれは、相手の悪いところや、腹の立つところです。

今回私は「胃潰瘍」の段階で気づきましたが、もうちょっと行くとうつ病です。
自己肯定感(ありのままの自分でいいという気持ち)が低ければ、すぐうつに傾くと思います。
「こんな状況でも我慢しなきゃならない自分って・・・。」って気持ちが出てきますから。
私は過去に立ち直った経験があるので、うつに戻ることはないですが、ギリギリでした。

私は以前うつから立ち直ったとき、他人の悪口ばかり考えるのはやめようと、心に誓ったのに・・・。
あの時、他人の悪いところばかり考えていると、結局自分を攻撃することになると気づいたのに・・・。

完全に忘れてました。

他人を変えることはできない

他人を変えることって、絶対できないんです。

今回の私の場合、課長に「現状維持はやめてください。」と言ってもやめさせることはできません。
今までの課長の長い人生の中で、つちかってきた知識と経験を総動員して、出した結果が「現状維持」なんです。
他人の私に少し言われたくらいで変わるわけないんです。

通らない決済ひとつひとつも、課長の長い人生の知識と経験の結果です。
もし決済ひとつを私が無理やり通したとしても、課長の信念が変わるわけではありません。
私の無理やりにたまたま屈しただけです。
また次の決済への回答も、「現状維持」という結果を出すでしょう。

Tさんが仕事をしないのも、Tさんの長い人生の知識と経験の結果です。
私がいくらTさんの仕事をしてあげても、私は感謝さえしてもらえません。
私が常識だと思っていることが相手の常識ではありませんから。

私がTさんに無理やり仕事をさせることは、不可能です。
脅したりしないと無理です。
でも脅しはいけませんよね。
もしTさんの気が向いて少し仕事をしても、基本的に仕事をしないという態度は変えません。
ただの気まぐれです。

もし万が一、Tさんがバリバリ仕事ができるようになったとしたら・・・?
でもその場合も、私の想いや発言とはまったく関係ありません。
ただTさんが、仕事をするという選択をしただけにすぎないんです。

他人を変えようと思うから、結局自分を攻撃してしまうという、変なことになるんです。

自分の見方を変えるしかない

というわけで私は、うつから立ち直った時の教訓を思い返してみました。
「他人を変えることはできない。」
「他人のことで思い悩むことは、自分にとって害になる。」
「人間に上も下もない。」
「仕事ができるかどうかだけが人間の尺度ではない。」
「誰かに迷惑をかけられても、その人に罰が下ることはない。」
「自分が犠牲になることはしない。」
「自分の精神は自由。」
「自分がどうするかだけが自分の問題。」

などなどです。

他人がどうするかを自分には制御できませんから、自分を変えるしかないわけです。
いろいろ考え、このとき私は2つの策を実行しました。

1つ目は、職場をエンターテイメントに変える作戦です。
まず課長に対して、斎藤一人さんのお話しを参考に、「達人」と思うことにしました。
※斉藤一人さんのお話は、youtubeにいっぱい上がっています。
「斎藤一人さんの達人の話」 (youtubeが開いて音が出ます!)
悪口を言うと、自分を攻撃してしまうことになるので、褒め言葉にするんです。

Tさんはいつも言い訳ばかりして仕事をしないので、
「Tさんの言い訳を数えるゲーム」をしました。
毎日、Tさんが言った言い訳のかずを数えます。

何でもゲームにして、面白がるんです。
毎日、課長がどんな達人技を見せてくれるのか。
Tさんは何回言い訳を言うのか。

数をかぞえていることを、言われたことしかしないM君に話しました。
M君もそれをとても面白がって、私とM君は仲良くなりました。
M君にだけでも思ったことを言えるので、職場での気分もだんだん開放的になりました。

また、各施設長さんにも相談して、私がTさんと施設長たちの間に入るのをやめました。
施設長さんはとても共感してくださり、施設長さんたちとも仲良くなりました。
各施設によく呼んでいただき、暗い職場を仕事で離れることができるようになりました。

2つ目の策は、自分の好きなことをする時間を増やす作戦です。
そのころは、子どもがまだ小さかったので、趣味を全部やめていました。
夫にそれを話し、少し協力してもらって時間を作り、趣味に没頭しました。
夫も私が胃潰瘍で入院したり、浮かない顔をしているのを心配してくれていたようです。

こうして気分も良くなり、うつの再発と、辞職の危機を免れたわけです。
でも何が変わったって、自分の考えしか変えていないことが、おわかりいただけたと思います。

この時、実際に「周りがバカであること」は関係ないんです。
この世のなかには、自分よりバカな人も、自分より賢い人もいっぱいいるんですから。
「周りがバカであること」をつらいと思ったり、いけないと思ったりするから自分で勝手に苦しむことになるんです。

あなたももし、周りの人がバカに見えてしかたなかったら危険信号ですよ。
バカ(他人)を変えようとしないでください。
とても骨が折れますから。
他人ができないことなんて気にせず、自分が楽しい方へもっていってくださいね。
参考・自分以外の人ができないことで悩むのはムダだからやめよ

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