劣等感から「生きづらい」が始まる
なんで「生きづらい」のか、ざっくりと説明するよでは、「生きづらい」におちいるまでの流れを説明しました。
今日は、「生きづらい」の始まりの、「劣等感(コンプレックス)」についてです。
「生きづらい」のは、「あなたが人間関係の中に、劣等感を持ち込む。」ことから始まります。
あなたが人間関係に劣等感を持ち込むことがないように、まず、「劣等感」のことをお話しします。
② 「劣等感」が心の中で暴れる。
③ 「劣等感」を人間関係に持ち込むと・・・。
パターンⅠ 相手をバカにしているように見えるタイプ
パターンⅡ 下手に出て、人に付きまとうタイプ
① 「劣等感」ってなに?
「劣等感」って、「感」っていう漢字がついているように、「あなたの感じる気持ち」です。
「劣等感」は、文字の通りに読めば、「自分は他人より劣っているという感情」のことと思われるかもしれません。
でも、自分は他人より劣っているなんて、当たり前のことですよね。
人間にはいろいろな面があって、いろいろな面が誰よりも劣っていない人なんていませんよね。
世界一速く走れる人でも、泳げなかったり、優しくなかったりするわけです。
そして1面でも、世界一にならなくていいですね。
例えば、「僕は『荷作り』が世界一じゃないから劣等感がある。」と言っている中学生や、
「私は『刺身の切り方』が世界一じゃないから悩んでいる。」と言っている主婦なんていませんね。
また、「劣等感」は、知らない人より劣っていても感じないですね。
例えば、日本の会社員が、イギリスの、会ったこともないボブより、何かが劣っていてもどうでもいいです。
「劣等感」って、自分と関係がある人をターゲットに感じるんです。
また、「劣等感」は、ただ周りの人より劣っているからといって感じるわけでもないですね。
例えば、自分のダンナの年収が、幼稚園のママ友のダンナの年収より劣っていても、劣等感を感じない人もいますよね。
そこで劣等感を感じない人は、ダンナの年収にこだわってない人です。
ってことは、劣等感を感じる人は、ママ友と比べて劣っていることにこだわっている人ということになります。
そして、「劣等感」は、劣っている事実が、周りの誰からもバカにされないようだったら感じないですね。
例えば、泳げない高校生Aがいて、周りの誰も高校生Aが泳げないことを気にしない時ですね。
周りの同級生たちも、泳げない人は何人もいるので、高校生Aをバカにしそうにないですね。
なのでこの場合「劣等感」は、高校生Aが泳げないことをバカにされそうな状況だったら感じるかもしれません。
もっと言うと、「劣等感」は、実際にバカにされているか、されていないかは関係ないですね。
バカにされたって、まったく気にしない人もいますよね。
実際にバカにされた人でも、されない人でも、気にする人は、「もしかすると」で心配しているんです。
「劣等感」は「あの人(達)は、自分のことをバカにしているかもしれない。」という恐れがあるから感じています。
ということは、「劣等感」というのは、
・自分が劣っていると、こだわっていることで、
・自分と関係がある、周りの人たちに、
・バカにされているかもしれない、
・恐れがある。
時に感じるもののようですね。
② 「劣等感」が心の中で暴れる。
「劣等感」が何かはわかりました。
では、「劣等感」がある人の心の中を見てみましょう。
「劣等感」がある人は「恐れ」があるので、いつも何かを恐れて、おびえて、ビビッています。
いつも、誰かにバカにされているんじゃないかとおびえています。
ということは、「劣等感」のある人は、バカにされるのが死ぬほどつらいです。
「周りの人たちの評価がないと生きていけない。」
「他人に認めてほしい。」
と思っているんです。
完全に他人の評価に受け身で反応しています。
なので、「劣等感」と「認められたい」はセットの関係です。
「劣等感」や「認められたい」気持ちをずっと抱えていると、心を守ろうとする力が強くなります。
他人からの攻撃に備えます。
いつバカにされるかわかりませんから、いつも防御態勢です。
誰かの言葉に傷つかないようにいつも準備し、考えを巡らせます。
はたから見るとわからないですが、「劣等感」のある人は、いつも、実りのない持久戦を続けているようなものです。
いつも怠りなく、防御の準備をしているんです。
そして・・・。
実りのない持久戦に疲れた戦士の中には、防御だけでは心配な人たちが現れます。
この戦士たちは、攻撃モードに切り替えるんです。
攻撃は最大の防御です。
相手は誰かというと、自分は傷つかないようにしたいですから、自分より弱い人です。
自分より下だと思っている人を攻撃して発散するんです。
なので、
・イジワル上司が部下にパワハラしたりとか、
・教師が生徒にひどいことを言ったり、体罰したりとか、
・自分の子どもなのに虐待する親とかは、
必ず「劣等感」が強いです。
また反対に、攻撃型の戦士になったのに、優しいのか、他人を攻撃できない人がいます。
そこで、他人を攻撃できない、攻撃型戦士は何をするかというと・・・、
自分を攻撃するんです。 おー怖っ!
・自分は何もできない、ダメな人間だとか、
・こんなつまらない仕事をすることくらいしかできない、価値のない人間だとか言って、
自分で自分をいじめるんです。
あんまりこの傾向が強くなると、うつ病になります。
「劣等感」がついに暴れだしてしまいました。
でも周りの人は、「劣等感」のある人の心の中が見えませんから、どうしていいかわかりません。
何の障害もない、心の中の攻撃型戦士は、暴れ放題なんです。
③ 「劣等感」を人間関係に持ち込むと・・・。
では、「劣等感」を人間関係に持ち込むとどうなるか見てみましょう。
「劣等感」は「認められたい」とセットです。
・認められたい。
・自分はもっと褒められていいはずだ。
・世間は自分を正しく評価していない。
という想いがいつもうずまいています。
周りの人に褒められたいし、評価されたいです。
でもそこに能力がついていって「いない」と、褒められたり評価されたりしないわけです。
そして、能力がついていって「いる」人は、正当な評価を受けているので、そんなこと思いません。
ということは「劣等感」がある人は、ないものねだりをしているということです。
残念ながら、「劣等感」のある人が安心できる日はありません。
ないものはないので、ねだっても出てきませんね。
なので、「劣等感」のある人は、誰かから無理やり引き出そうとするんです。
パターンⅠ 相手をバカにしているように見えるタイプ
このパターンの人は、攻撃対象が他人に行ってしまうタイプの人です。
エリート気取りと思われてしまうタイプです。
「劣等感」がプライドに変わってしまう人は多いです。
自分が認めてもらおう、評価してもらおうとするということは、自分のほうが周りの人より優れていると思っているってことですね。
それを反対の意味で言うと、周りの人をバカにしているってことになります。
するとやはり、知らず知らずのうちに、態度に出てしまいます。
時々、「知らないの?」とか言ったり、聞かれてないのにアドバイスしたりする人、あなたの周りにもいるでしょう。
周りの人たちは、人をバカにするような人とは付き合いたくありません。
なので、この「劣等感」のある人は、敬遠されてしまうことになります。
このタイプの人は、年を取って、劣等感が加速していくと、手が付けられなくなります。
いばり散らしたり、部下にパワハラしたり、強引に自分の企画を通したり。
自分が嫌われていることから目をそらし、現実を見ようとしません。
パターンⅡ 下手に出て、人に付きまとうタイプ
このパターンの人は、攻撃対象が自分に行ってしまった人です。
謙遜しすぎるので、めんどくさいと思われてしまうタイプです。
パターンⅠの人よりは素直ですが、とてもうざったいです。
劣等感をそのまま出してしまうこのタイプの人は、他人の評価を気にしてフラフラします。
自分を受入れてくれそうな人を見つけると、すぐ心を許してしまいます。
でも「劣等感」のある人は、なんてったって、ないものねだりです。
ないものねだりの期待には誰も応えてくれず、傷ついてまた、自分をいじめることを繰り返します。
このタイプの人を褒めても、謙遜で返すだけですから、話しても面白くありません。
でも褒めてもらいたいので、一度褒めてくれた人に付きまとうこともあります。
誰かからエネルギーをもらわないと、生きていけません。
なので、エネルギーをくれそうな人をずっと探すんです。
このタイプの人の一番厄介なのは、誰かからエネルギーをもらっても、それをマイナスに変換して自分に入れてしまうことです。
褒めてもらいたい・認めてもらいたいのに、褒められたり認められたりしてエネルギーをもらうと、必ず否定します。
自分のことをバカにしてますから。
誰かのエネルギーをもらっておいて、それを自分でマイナスにしてしまいますから、またエネルギーが欲しくなります。
そしてまた、エネルギーをくれそうな人(自分を認めてくれる人)を探し続けるわけです。
なので、このタイプの人に関わっても、エネルギーを吸い取られるだけです。
吸い取るだけ吸い取ったら、今度はターゲットを変えるんです。
もっとエネルギーのありそうな人に・・・。
自己啓発にハマって出られなくなっている人や、ステキな先輩に付きまとう後輩などは、このタイプです。
慕われているからといって、このタイプの人の相手をしてはいけません。
エネルギーを吸い取られて、ボロボロにされて、捨てられるだけです。
用心してくださいね。