エゴの生態その⑤ 現状維持

こんにちは。
前回のエゴの生態④ 自分の体や持ち物を自分とカン違いでは、エゴが何でも自分って思っちゃうから、外の理由に左右されてしまうってお話をしました。

今日は、エゴの現状維持についてです。
エゴが出す結論って、いつも現状維持だよってお話です。
 

・あなたが選択するとき出てくるエゴ
・現状維持を続けるとどうなるの?
・成長を止めたエゴに支配されたあなたの行く末

あなたが選択するとき出てくるエゴ

私たちは常に選択を迫られています。
朝起きてすぐに、もう選択を迫られます。
トイレに行くのか?行かないのか?
目がかゆいから顔を洗うのか?洗わないのか?
眠すぎてたまらないから、あと5分だけ寝るのか?寝ないか?
あと5分寝るとしたら、アラームをするのか?しないのか?
寝るのは本当にあと5分でいいのか?8分にするか?

と、くだらないことから大事なことまで、選択の連続です。

あなたが選択しようとするとき、エゴはよく姿を現します。
エゴが現れるのはだいたいあなたが建設的・前向き・謙虚な・斬新な選択をしようとした時です。

例えばあなたが、朝通勤していて、道の端にうずくまっているおじいさんを見かけたとします。
あなたがそのおじいさんに声をかけようかと考えた瞬間、エゴは姿を現します。
エゴはあなたの頭の中に、仕事に遅れて上司に叱られる映像や、せっかく助けてあげたおじいさんにぞんざいな対応をされる映像などが浮かびます。

そのエゴの映像にまんまと乗せられた場合、あなたは知らぬふりでその場を立ち去ることになります。
あなたは何日か、罪悪感と後悔がまざった、イヤ~な気分で過ごすことになります。

また例えば、夫(妻)から、
「両親に日ごろの感謝を込めて、親族で食事会でもしようと思うから段取りしてくれない?」
と言われたとします。
するとエゴは、あなたの頭の中に今まで姑や舅、小姑たちに言われたひどい言葉や、傷ついた経験を思い出させ、あなたはものすごく嫌な気分になります。
そして再び夫(妻)の顔を見れば、今度は昔したケンカや心ない一言が思い出され、もう何を言われても腹が立ってしまいます。

そしてエゴの策略にまんまとハマった場合、あなたは食事会をしない方向で話をもっていこうとします。
その結果、夫(妻)はあなたに不信感を覚えたり、ケンカになったりします。

もし、あなたの主張が通って食事会が行われなくなったとしても、あなたは怒りと罪悪感のまざったイヤ~な気分で何日か過ごすことになります。
また、あなたの意に反して食事会が行われると決まったとしても悲劇です。
食事会の段取りをする間、夫婦で話す時間もずっとイヤ~な気分。
当然、食事会当日はずっとイヤ~な気分。
そしてその上、あなたのイヤ~な気分にイヤ~なことが引き寄せられてきて、姑や舅、小姑、夫(妻)が発した何気ない言葉に深く傷ついたりしてしまうんです。

こんな話してると、エゴって罪なヤツだなあと思うのですが、エゴはエゴで、よかれと思ってやっています。
エゴはなくてはならないものかも?でお話ししたとおり、エゴはあなたに長生きさせたがっています。
あなたが失敗して恥ずかしい想いをしてドキドキしないように、無鉄砲なことをして命の危険にさらされないように。

エゴはあなたにルーティーンを誘導し、現状維持をさせたがっています。
現状維持は極めて安全だからなんです。

現状維持を続けるとどうなるの?

あなたがエゴの策略にまんまとハマり続け、現状維持を続けたとしたら、あなたはどうなっていくと思いますか?

今までやったことのあることだけやるので、変化はありません。
日々のルーティーンをこなすだけの毎日。
ルーティーン職人です。
(時々(時々じゃない?)変なことを言ってしまうレイラを許して!)

いつも同じことをして、変わり映えのない日々。
今まで自分が知り得たことだけで物事を動かすので、知識も経験も広がっていきません。
現状維持を続けるだけでは、自分のキャパシティー(器)が広がっていかないんです。

こうしてエゴは、あなたの成長を完全に止めてしまいます。

ルーティーン職人になってしまったあなたは、考えるのをやめます。
同じことの繰り返しに慣れすぎて、すべて条件反射でできてしまいますから。
狭い知識と経験の中で何でも決めることができるので、とても楽です。

「思考停止」してしまったあなたは、「自分の枠」を決めてしまいます。
それって、自分の限界を決めるってことです。
自分の意思で、自分の限界を決めてしまいます。
意志の力は強いのでもう、くつがえすことは誰にもできません。

「思考停止」してしまったあなたの精神状態はというと、意外と安定していません。
もうエゴが頭の中で大暴れしてますから。
外部の刺激にいちいち反応して、怒ったり不安になったり、変な夢見てぬか喜びしたり。

楽で、安全で、長生きできるんじゃないかと思って選んだエゴの道なのに、頭の中ではエゴが大暴れして、気の休まる時がありません。
これでは本末転倒なんですが、エゴの策略に乗ってしまうと、いつもこのパターンで私たちは苦しんでしまうんです。

作戦が間違っているのに、気づきません。
なんてったって、エゴは成長しませんから。
カン違い戦略を永久に続けてしまうんです。

成長を止めたエゴに支配されたあなたの行く末

エゴに支配されてしまったあなたは、「思考停止」してしまった後、自分の狭い枠の中だけで生きていくようになります。
自分から積極的に行動しようと思いませんから、何でも「受け身」です。
外部からの刺激に対して、すぐエゴがいろんな映画を見せてきますから、あなたはエゴに翻弄(ほんろう)されっぱなしです。

エゴの見せる映画があなたの頭の中の大半を占めるようになりますから、あなたはエゴの見せる妄想の世界に入って出てこなくなります。
すると、現実の世界で何が起きているのか、わからなくなってしまいます。

事実を観察もしないので、現実を把握できません。
相手が言うことを、自分の狭い見識の中だけで判断するので、何を言っているのか理解できないんです。
もし、上司に素晴らしいアドバイスをもらったとしても、自分の器を超えているので、取り入れることができません。

それどころか、
「それくらいわかっている。」
と、バカにしてしまうことさえあります。
相手の30%くらいしか理解できないのに、相手の劣っているところがマイナスに見えます。
すると相手が自分以下に見えるので、バカにするようになります。
こうなると、周りはバカばっかりに見えてきます。

そして、プライドだけが高くなります。

「思考停止」で自分の限界を決め、自分で成長しない無能の道を選んだのに、プライドだけ高い。
もう手に負えません。

これがなんで「生きづらい」のか、ざっくりと説明するよでお伝えした、最後の現象「プライドを高くする」のメカニズムです。
プライドを高くしてしまうと、もう現実に返ってくるのが難しくなります。
扱いづらかったり、うつになったり、エゴと一緒に「現実世界」から孤立してしまいます。

エゴの現状維持操作はとても恐ろしいので気をつけてください。
新しいことも、無鉄砲なことも、エゴの映画に負けず、時にはやってみてください。
あなたは経験するために現実世界にいるんですから。

今日も長々とお付き合い下さり、ありがとうございました。
エゴの生態観察は、もうちょっと続きます。

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